アニ×シェアblog~“シェア生活”…って何?~
“シェアハウス”と“シェア生活”は全く異なる
シェア生活がこれからの社会に必要と思われる、唯一つの理由
【 シェアハウスの現状 】
多くの人が「シェアハウス」と言う存在は知っていても、その実態を知る人はまだまだ少ないのではないでしょうか?。
そんな方々がシェアハウスに抱くイメージは
1、外国人と交流したい人達の特別な場所
2、『テラスハウス』のように男女の交流を意図した所
3、お金のない人が我慢して住むところ
とかではないでしょうか?
実際、大手のシェアハウスは、外国人が半数を超え、パリピな人達が夜な夜なパーティーをして、
出会い系な親睦を高めているところもあるようです。
その反面、そのような空気についていけない人は、共用部は素通りで部屋に直行するような生活をし、
大型シェアハウスにありがちなシアタールームなどは案内の時以外、
立ち入ったこともないという話を聞きます。
それと、文化の違いというかマナーの違いなども有り、夜中まで騒いでいるとか、汚れた食器を洗わないとか、
冷蔵庫の他人の物を食べるとか、中小規模のシェアハウス程そういったトラブルも多く、
大型のシェアハウスではあちこちに防犯カメラを回していても、そういったトラブルは絶えないそうです。
(場所によってかもしれないですが、うちにはそんなところから来る人も多いので、よく話を聞きます)
やっぱりシェアハウスってそうなんだって思いますよね。
『シェアハウスのメリット・デメリット』なんて動画もたくさん出ていますし、
『シェアハウスに合う人・合わない人』なんてブログもたくさん出ていますが、
要するにシェアハウスに合う人は、どんな人とでも話せるコミュニケーション力があって、少々の汚さも気にせず、
多少のマナーの悪さにも寛容でいられ、メリットだけを重視できる人って・・・
もしシェアハウスがそんな人しか住めないような場所なら、私だって絶対嫌だって思う。
『他人と一緒に住むなんて絶対できない!』『シェアハウスなんて無理!』って声に納得しちゃいます。
そもそも、赤の他人と一緒に住むというのは、そんな簡単な事ではない…。
そんな赤の他人と快適に過ごそうと思ったら、相手を知り、共に協力しあい、仲間に優しくなれることも必要だ。
『だからこそ、“シェア生活”には学ぶべきことが多い。』
“シェア生活”は人を成長させる要素の塊であり、これからの社会に必要不可欠なものだと言えるでしょう。
【 シェアハウスの源流 】
もともとシェアハウスとは、ロンドンのフラットシェアやニューヨークのシェアードハウスが源流で、
これらの古い都市では、非常に家賃が高く、日本と違ってワンルームなど単身向けが少なく、
一般的なファミリータイプには水廻りが2つも3つあることから、学生や若い社会人が経済的な理由で
赤の他人とシェアするスタイルが広まりました。
それに対して日本では、外国人の旅行者(バックパッカー)が短期で寝泊まりする為のゲストハウス
を運営する会社が、中長期の滞在を可能にすべく一軒家などをシェアハウスとして運用し始め、
そこに外国人との交流を望む日本人が同居しはじめたのが、日本のシェアハウスの主流となっていきました。
しかし当時は、一般的に“家族でも恋人でもない他人と一緒に住む”というスタイルは受け入れられず、
シェアハウスは特殊な人達が行う特殊な世界でしかなかったと言えるでしょう。
大きく変わったのは、2010年以降、リーマンショックや東北大震災を期に、社会不安や自然災害への畏怖から、
誰かと寄り添って生きる事に希望を抱き、2012年に『テラスハウス』が放送されたことで、ロマンスと共にさらに注目され、
日本に新たなシェアハウスが急増していきました
当時は単身孤独化が進む中、人と人とが支え合う生き方に希望を抱き、可能性を感じた人も多く、そんな社会を背景に、
不動産会社から個人に至るまで様々な人がシェアハウスの運営に臨みました。
しかし、窓もない違法激狭住戸を提供する悪徳業者がいたり、投資詐欺が目的のコミュニケーションゼロの激狭住戸が増えたために悪いイメージが広まり、
人々の希望が打ち砕かれると共に、不衛生の改善や安全の確保ができず淘汰されていった。
さらにコロナ後のインバウンドの増加によって、今では元のゲストハウスを源流とする外国人との同居を前提としたシェアハウスが主流となり、
日本人同士のコミュニケーションを前提にしたシェアハウスは稀有なものになったと言えるでしょう。
【 シェアハウスの抱える本質的な問題 】
『シェアハウス』はホテルでもなければ賃貸でもない、 中短期滞在型?
シェアハウスとは、賃貸住宅(2年の賃貸借契約)でもなければホテル(宿泊施設)でもない。
しかし多くのシェアハウスには、ドミトリーという2段ベットが設置され、複数人が滞在する部屋があります。
ドミトリーは学生が合宿などで和気あいあいと楽しむようなイメージもありますが、短期ならまだしも、臭いやイビキなどの音、
生活時間の違い等があり、現実的にはとても長期で暮らせる場所ではないでしょう。(圧倒的に安いという点を除いては)
つまりドミトリーの存在自体が『シェアハウスは短期で滞在する場所』を象徴しており、
ホテルと賃貸住宅の中間的存在である事を意味しています。
事実、一般的な『シェアハウス』の平均滞在日数は短く0.7か月(1年未満)と言われています。
ゲストハウスを源流とする中短期滞在型だからこそ抱える本質的な問題がある
もし仮に、同居人が臭いを発する不衛生な人で、夜中まで大きな音を出すような身勝手な人だとしたら、
数年間、共に生活するなんて考えられないでしょう。
しかし、ゲストハウスのような短期で滞在する場所であれば、相手が退出するか、自分が退出するまで我慢すればいいし、
運が悪いと諦める事も出来る。(もちろん可能な範囲で注意はするでしょうが…)
故に前向きな運営会社ほど、ゲストハウスで旅の情報交換やパーティーを楽しむように、
『シェアハウス』でのひと時を楽しく過ごしてほしいと、出会いを求めたイベントを開催したり、
清掃会社を週2~5日も入れるなどして、住民の満足度を高め、
入居者のマナーの問題を見えにくくしているのではないでしょうか?
それこそがシェアハウスの抱える見えない本質的な問題なのだろうと思います。
つまり日本のシェアハウスは、ゲストハウスの流れから長期での共同生活を本気で考えているとは思えず、むしろ諦めているとさえ思われる。
しかし、ロンドンのフラットシェアが数年間の学校に通う学生や都心部で働く若者をターゲットにしているように、
2年以上の長期滞在を意図しているのは明らかであり、その為のルールがあり、何よりも住人側に“その心得”がある。
そこにこそ、このシェアハウスの抱える本質的な問題の答えがあるのだと思います。
【 理想的なシェア生活 】


『テラスハウス』『シェアハウスの恋人』『たくのみ』『カルテット』『吉祥寺ルーサーズ』など、
人との共同生活を題材にした漫画やドラマはたくさんあります。
毎日のように、食事を一緒に作って食べたり飲んだり、たわいもない話に、冗談を言って笑い合ったり、悩みや相談も聞いてもらったり…、
誰だって孤独は嫌だし、ドラマのように誰かと楽しく暮らせるならその方がいい。
そこに出てくる登場人物のように、話し好きで、清潔で、楽しい人達と、
ハートフルコメディな日常があるのなら、それこそまさに “理想のシェア生活”といえるでしょう
だけど本当の、リアルな私達は、実はそこまでの世界を望んでない…。
毎日の仕事に疲れ、YouTubeを見ながらコンビニ弁当を食べて、軽くゲームをして寝るのが日常ではないでしょうか?
よっぽど気の合う人が居るなら別ですけど、毎日誰かに付き合って、話を聞いたり、無理に笑う余裕などはない
一週間に一・二度でも誰かと話せたり、時々でも『食事会』のようなイベントがあるだけでも十分ではないのでしょうか?
なんせ毎日一緒に居るのだから…
帰ってきたら明かりが点いていて、誰かが廊下を静かに歩く音が聞こえて、遠くで誰かが話してる声が聞こえて…、
旅行に行ったお土産がもらえたり、実家から送られてきた食べ物のお裾分けがあったり、
ビンの蓋を開けてもらったり、Gを退治してもらったり、そうやって人を感じて、人の優しさを感じて、いざという時に人に頼れる。
一人暮らしでは得られない人との関わりに安心と安らぎを感じる。そんな人との生活…。
その落ち着いた、真に心地よさを感じる生活こそが、永い時間を共に過ごす事の出来る、リアルな
“理想のシェア生活”と言えるのではないでしょうか?
事実、アニ×シェアの平均滞在日数は2.8か月(一般的なシェアハウスの4倍)であり、
今なお更新し続けています。
【 シェア生活…って何? 】


2年以上の長期間の“生活”を目的とした生き方が『シェア生活』
そんな安心と安らぎを感じるシェア生活を実現する為にはどうすればいいのか?
単に人が集まっただけで“理想的なシェア生活”が送れるかといえば、それは絶対にない…
何故ならばシェアハウスの抱える本質的な問題があるからだ…
ゲストハウスを源流とする『シェアハウス』にとって入居者は客であり、まるでホテルのように清掃業者が掃除を行い、
ルールという名の[取扱説明書]を用意して、自己責任で人との交流を見い出す(外国人との交流など)。
そういった場所も当然有りだと思うし、需要もある。事実『シェアハウス』として確立している
しかし、マナーの悪さを目にしたり、人との交流から離れた途端、長く居られる気がしない。やはり短期だからこそ成り立つ場所だと思う
では『シェア生活』とは何なのか? それは文字通り『生活』を『シェア』する事
快適な生活を実現する為に、分担できる家事はすべて“シェア”し、自分達の“生活”をする事
トイレや浴室といった水廻りはもちろん、玄関や廊下もみんなが使う。みんなが使えば当然汚れる。皆が使った分だけ掃除が必要になる。
だからみんなで掃除をする。それぞれに分担して掃除をする。掃除用具をみんなで出し合って買う。
調味料もみんなで共有する。そうやって共有できるものを共有し、負担しあう。それこそが生活をシェアするという事だ…
自分達の事を、自分達で行うからこそ、自主性が芽生える。
誰もが一つ屋根の下で暮らす一員となることで、自分勝手な振舞に対する意識が高まり、
他人を不快にさせないマナーの重要性が分かってきます。
また、家事における自分の役割をしっかりこなすことで、仲間からの信頼を得ていきます。。
シェア生活において何より重要なのは、お互いの信頼関係です。
その信頼関係があって、初めて安心で安全な、シェア生活が実現できるのです。
『皆で協力し合って、助け合って生きる』という、社会生活の原点がシェア生活にはある。
だからこそシェア生活には学ぶ事が沢山あり、シェア生活でのスキルを習得し、愉しく快適に過ごせれば、
社会生活もきっとうまくいく、そんな有意義な場所でありたいと思っています。